携帯GPS地図『マッピー』提供ブログ用アイコン01 香川県でのコンサートでの演奏会後半の話の内容(一部紹介)」


・・・・ 今日は 「一芸から学ぶこと」なんて、
何だか大変、生意気な 大きな題目を掲げておりますが、
人間としても ピアニストとしても まだまだ未熟な私なりの言葉で
ほんの少しだけ、 この約22年間の音楽活動や舞台、コンクール等の記憶を振り返りながら 自分の身を通して学んでいることを お話させて頂こうかな・・・と思います。


まずはじめに ピアノの先生方も含め、ここにおられる
小学生 中学生 高校生どの方でもいい、
私が問いかけたいのは、「どんなピアニストになりたいか」というビジョンをはっきり持ってピアノに触れていて欲しいなという事です。

ピアニストには、本当にたくさんの形があり、一流のコンサートホールで リサイタルやコンチェルトのソリストとして活動するコンサートピアニストや、専ら、海外に身を置くピアニスト、また、自らがメインという「ソリスト」の形とは違う 数人で作り上げる 「室内楽奏者」や、時々、発表会やボランティア活動で 演奏するピアニスト、そのほかにも 愛する者の為に奏でるピアノや 自分自身の為に部屋でピアノを奏でる・・・
等、このどれもが素晴らしい「ピアニスト」だと思います。

ピアノに携わる以上は、必ず その人にあった ピアニスト像を常に思い描いていなければならない。
その各々が 求める ピアニスト像に近づくために、毎日 ピアノと共に日々、意義ある方向へ歩む努力が出来るのだと思います。

ピアノを通して 何を学ぶか・・・ 生かされている 自分自身にどういう形で 反映させるか・・・
まず 思い描いて見る事は大切な事です。

その為の 身近な、最大の手段として コンクールや 発表会は大いに利用、活用していく価値のあるものだと思います。

音を楽しむ 「音楽」という芸術に 順位を付ける事 そこに真意は無く 
そこに焦点を当てるなら・・私は、コンクールは大嫌いです。

スポーツやお勉強の世界とは違い、もっと 自由な所にあるのが芸術ですからね・・・

でも、同時に 私のような 怠け者は、目標やある程度の縛りが無いと どこまでも堕落していく質で、そういう意味では、ピアノの先生に よく コンクールに出場させられていた経験に感謝しています。

作品を とことんまで 掘り下げて追求したり また 自分自身、人としての メンタルな面での成長の為に 若いうちに 目前に はっきりとした 目標を持てるきっかけをくれる コンクールや身近な演奏会は 大変有効なものだと思うのです。
 
そして、大小関係なく、ただがむしゃらでいい、一つの事をしっかりと、悔いの残らない所まで諦めずに 成し遂げた後に 知らず知らずのうちに 何かが・・ 
強さが・・・身に付いてくると確信しています。

勝負に出る時、人前に立つ 舞台と言う 非日常へ向かうという行為を前にすると、
本人をはじめ、それを取り巻く 家族や周りの近しい者達も皆、綺麗事では行かず、肉体的にも精神的にも、極致に追いやられます。

甘い 優しい空気等流れる訳はない、公には絶対見せられないような・・・ ひどく見苦しい有様です。

多くの人は それに負けそうになると思います。

私も 小学生の頃かな 40度近い熱を点滴で抑えながら 病院から入賞者演奏会へ行ったこともありましたし、コンクールや本番の間近になると、私以上に 音符も読めない 度素人の母親の方が 緊張してしまい、具合が悪くなったり・・・

また、色々な音楽以外の日常のストレスからか 舞台上での ライトの光が分散して 目が見えないまま グラグラ目が回るような中で 何度も舞台に立っていた事もありました・・・。

殆どが、完璧でない状態で迎えるのが本番です。

つい一週間前も・・・
東京でのリサイタルがあったのですが、その本番の10日前から 直前10分前まで 経験したことも無いような地獄のような状態を味わっていました。

そんな事ばかりに 目をやると 正直余りに苦し過ぎて こんなこと、誰にも味わって欲しくないな~と思ったり、
異常に不健康で、正直 辞めたくなる時も多々あります。

誰にも負けないほど 頑張ったのに、結果はこんなもんか・・・という事や
何だかわからないけど、うまくいったり・・・

喜びや悲しみは 紙一重、常に 幸と不幸が隣り合わせのような 道だと思います。

でも その苦しさを乗り越えた後の ほんの束の間の達成感とhappy な事の方が 幾分か多いから・・・ 頑張れるかな・・・

どんな事にも負けないで、10年、20年と 何とか続けていくと、
何もしないで ぬくぬくと過ごす毎日よりも、身体の一部で、
自分なりの歩いてきた証が、支えとなり、
音楽以外の場面に遭遇した時も、自分なりの洞察力で 一つのものを深く見つめる事が出来るようになると思うのです。

とりあえず今日まで歩いてきて、音楽を通して1番よかったなと思える事、
また、私が ピアノから学んでいること・・・

それは、けなされるばかりで 未だに1度も褒められた事はないのですが、
厳しい中に 誰にも負けないほどの、親子の愛または 家族の絆を感じれるようになった事でしょうか・・・?

私の家系には 誰一人 音符を読めるものも クラッシック音楽を聴く者もいません。

まったくの 度素人で、右も左もわからないまま、遠回りばかりしていた母親の姿を思い返す時、
それでも陰で いつも 静かに 祈ってくれている両親の姿を見る度、
あの時は、きっと 親はこんな思いだったのだろうと 
今だから やっと見える事が多々あり、
だからこそ、今、一人ひとりの生徒さんの後ろにある親心だったり、
それを背負っている一人ひとりの人間の尊さだったり・・・
手に取るように分かって・・・

心あるものを 大切に守りたいという思い 「人の情愛」を知るようになりました。


人生には 色々な生き方があり、学び方があると思います。

今は、メディアが異常に発達した便利な世の中なので 広く浅く・・・と、マルチな才能を重宝される傾向があるかも知れません。
でも、私は 一つの事を 本気で凝視し 成す事で、また一つのものを大切にする事で、
その事から無限の事を悟り、学べる気がしています。

そして、一つの事から、多くの事へ 還元出来るのではないかと信じています。

多芸からではなく、一芸から学ぶこと・・・
それは持続して行く事は、決して、容易なことではないけれど、
1度きりの人生の中で 多くの事を 私たちに教えてくれるはずです。

今日ここにおられる 全ての方にとって、
そして私自身にとって、

ピアノが その精神の源となる事を願いつつ、今日は、お話させて頂きました。

誰かの為に 小さな夢を運べるような・・・ そんな一人の人間に、そしてピアニストになれたら本望です。


(講演内容より)


by mamikotone | 2008-05-10 20:00 | schedule

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Pianist Mamiko Tomari 
泊 真美子
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